スタン・ワウリンカ まったり解説:経歴・戦績・使用ラケット・ギアまとめ
2026年シーズンをもってプロテニス界を去る”スタン・ワウリンカ”の全キャリアを振り返ってみよう!
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | Stanislas Wawrinka(スタニスラス・ワウリンカ) |
| 生年月日 | 1985年3月28日 |
| 出身 | スイス・ローザンヌ |
| 国籍 | スイス |
| 身長 | 183 cm |
| プロ転向 | 2003年 |
| 自己最高ランキング | 世界3位(2014年) |
| 通算タイトル | 16(シングルス) |
| 得意サーフェス | クレー・ハードコート |
| ニックネーム | Stan the Man |
ワウリンカの代名詞といえば、豪快な片手バックハンドです。
いよいよ引退!どんな形で幕を閉じるの?
ワウリンカは2025年12月20日、X(旧Twitter)にちょっと凝った投稿をして引退を発表しました。なんと各行の頭文字を並べると「PASSION」になる洒落た細工をしています!
引退の地は、2026年10月26日開幕の地元スイスのバーゼル(ATP500)と本人が明言しています。
また2026年12月19日にジュネーブで引退イベントも開催予定で、同じスイスの同胞ロジャー・フェデラーも参加する予定とのこと。
経歴・戦績
ジュニア時代:農場育ちの才能が開花
ワウリンカはスイス・ローザンヌ近郊の農場で育ち、8歳でテニスを始めました。1国際ジュニア大会にも参加しており、なんと2003年にジュニア全仏オープンで優勝。後に全仏制覇することになるクレーとの相性の良さは、この頃からすでに光っていたんです。
プロ初期(2002〜2012年):フェデラーの影で10年
2003年にプロ転向し、2006年には初のATPタイトルをクロアチア・オープンで獲得。決勝の相手はジュニア時代から顔なじみの若きノバク・ジョコビッチでした。
その後もトップ20前後には安定して入っていたのですが、同じスイス人のロジャー・フェデラーの存在がとにかく大きく、「スイスの2番手」という扱いをされていた時代が10年近く続きます。本人もかなり悔しかったはずですが、ここで腐らず積み上げ続けたことが後の大ブレイクに繋がります。
覚醒期(2013〜2016年):BIG4を倒しまくった黄金の3年間!
ここからがワウリンカの真骨頂です。この時期、左前腕に哲学者サミュエル・ベケットの格言を刺青したことでも話題になりました。
“Ever tried. Ever failed. No matter. Try again. Fail again. Fail better.”
(意訳:「やってみた。失敗した。それがどうした。もう一度やれ。また失敗しろ。より良い失敗をしろ。」)
この言葉通り、ワウリンカはここから一気に頂点へ駆け上がります。
主要タイトル(全盛期)
| 年 | 大会 | 決勝の相手 | スコア |
|---|---|---|---|
| 2014 | 全豪オープン | ラファエル・ナダル(当時世界1位) | 6-3, 6-2, 3-6, 6-3 |
| 2014 | モンテカルロ・マスターズ | ロジャー・フェデラー | 4-6,7-6[7-5],6-2 |
| 2015 | 全仏オープン | ノバク・ジョコビッチ(当時世界1位) | 4-6, 6-4, 6-3, 6-4 |
| 2016 | 全米オープン | ノバク・ジョコビッチ(当時世界1位) | 6-7[1-7], 6-4, 7-5, 6-3 |
実はこれ、すごい記録が隠れています。
3つのグランドスラム決勝すべてで「その時点の世界1位」を倒して優勝した選手は、史上ワウリンカだけ!
フェデラー・ナダル・ジョコビッチが支配していた時代に、彼らを真正面から叩き倒してトロフィーを持ち帰ったわけです。ビッグサーバーやカウンターパンチャーではなく、正真正銘のビッグヒッターとして頂点に立ったのが本当にカッコいい。
チームでも輝いた!
- 2008年北京オリンピック 男子ダブルス金メダル(フェデラーと「フェデリンカ」ペアを結成!二人の友情をコートで体現した歴史的な一コマ)
- 2014年デビスカップ優勝(スイス史上初。こちらもフェデラーとともに貢献)
- デビスカップの決勝戦では、
- シングルス1:ワウリンカ
- シングルス2:フェデラー
- ダブルス:ワウリンカ&フェデラー
- シングルス3:フェデラー
- シングルス4:ワウリンカ(開催中止)
- フェデラーとワウリンカしかでないという異常事態。それだけこの二人に信頼できるものがあったということは皆さん理解できるかと思います。
苦難と復活(2017〜):何度倒れても立ち上がる
全盛期の後、ワウリンカは大きな試練を迎えます。2017年全仏オープン準優勝後に両膝の手術を受けて長期離脱、さらに2021年にも膝の手術と、ケガとの戦いが続きました。
多くの人が「もう引退か…」と思った局面が何度もありましたが、そのたびに現役に戻ってきました。2023年にはクロアチア大会で決勝に進出するなど、40代になってもその実力は完成されたものでした。。
ウィンブルドンだけは…
グランドスラム3冠を達成しながら、ウィンブルドンだけは最高でベスト8止まり。本人が「キャリアで最も変えたい試合」として挙げているのが2015年のリシャール・ガスケ戦(QF)で、全仏制覇直後の好調な状態で臨んだものの大接戦の末で涙を飲みました。「一度でもセミファイナルに入りたかった」という言葉には、テニスへの純粋な愛が滲み出ています。
一ファンとしても、省エネなグランドスラム4大大会制覇を見たかったなと思いました。
プレースタイルの特徴
ワウリンカといえばやっぱり片手打ちバックハンド!ベースライン深くから極めて高い弾道のトップスピンをぶち込んで、世界トップのナダルやジョコビッチを圧倒できる”世界最高峰のバックハンド”とも呼ばれます。フォアハンドやサーブも世界レベルで、「誰でも打ち負かせる日がある」と恐れられるベースライナー。体格を活かした重いボールが真骨頂です。
使用ギア詳細
ラケット
プロテニスの世界あるあるなんですが、「スポンサーとして宣伝しているラケット」と「実際にコートで使うラケット」が違うことがよくあります。ワウリンカはその典型で、知れば知るほど面白いので詳しく見ていきましょう!
【実際に使用しているラケット】Yonex VCORE 95D(カスタム仕様)
見た目はPercept 97Hなのに、実はフレーム自体は別モデルというのがポイント。外観に「ペイントジョブ」と呼ばれる化粧塗装を施して、まるでPercept 97Hに見せているんです。
| スペック | 数値 |
|---|---|
| フレーム | Yonex VCORE 95D |
| ペイントジョブ(外観) | Yonex Percept 97H に見せかけている |
| ヘッドサイズ | 95平方インチ |
| 重量(オーバーグリップ込み) | 372g(!) |
| スウィングウェイト | 360(超ヘビー) |
| 硬さ(RA値) | 63 |
| グリップサイズ | 4 3/8 |
| ストリングパターン | 16×20 |
ここが面白い! 市販のPercept 97Hは97平方インチ・330g(アンストラング)ですが、ワウリンカの実使用品はより小さい95平方インチのVCORE 95Dに、372gという重量に仕上げています。スウィングウェイト360はツアーの中でもトップクラスの重さ。これを1試合フルスイングし続けられるのは、ワウリンカの怪物的なフィジカルがあってこそです。
一般人がこのスペックでテニスすると間違いなくどこかを壊します。泣
【エンドースモデル(市販品)】Yonex Percept 97H
スポンサー契約上、ワウリンカが公式に宣伝しているのがこちら。実使用品とは仕様が異なりますが、それでも上級者向けの本格的なラケットです。
| スペック | 数値 |
|---|---|
| フレーム | Yonex Percept 97H |
| ヘッドサイズ | 97平方インチ |
| 重量(アンストラング) | 330g(約11.6oz) |
| ストリングパターン | 16×19 |
Percept 97HはPercept(パーセプト)シリーズの中でも最重量モデルで、パワーとコントロールを高次元で両立できる本格派フレームです。
「しなやかなのに打ち負けない」という、一見矛盾した性能を実現しているのが最大の魅力。ベースラインからガンガン攻めたいプレーヤーにピッタリのラケットです。
“ワウリンカスペックに近づきたい!”という方へ: Percept 97H+リードテープ追加+レザーグリップの組み合わせで近づけることはできますが、スウィングウェイト360は本当に重いので、まずはPercept 97Hをそのまま試してみるのがおすすめです!
現代テニスではラケットも軽量化しているため正直330gという重さだけでも十分重い部類に入るので、一般の方は普通のパーセプト310gのモデルを使うことをお勧めします。
ストリング(ガット)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ブランド | Babolat RPM Blast 130 |
| ストリングタイプ | ポリエステル |
| メイン張力 | 61lbs |
| クロス張力 | 57lbs |
Yonexとスポンサー契約しているにもかかわらず、ガットはBabolat RPM Blastを使い続けているところがワウリンカらしい!なぜかというと、95平方インチという小さめヘッドのラケット(VCORE 95D)でもパワーが出すぎる為、それを抑えてコントロールを高めるために、「硬くて反発を抑えるポリエステルを、さらに高テンションで張る」という発想なんです。道具選びに関しては超保守派で一切妥協しない、プロらしいこだわりが見えますね。
ここに関しても現在のテニス市場で60lbsなどで張ると一般の方は故障する可能線がありますので、個人的にはあまりお勧めしません。
シューズ・アパレル
使用シューズ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ブランド | Yonex |
| 現行モデル | Yonex Power Cushion Eclipsion |
ラケット・シューズ同様、ウェアもYonexと全面契約。長年ヨネックスと契約している魅力ある選手な為、ヨネックス側としても引退は悲しいことでしょう。
まとめ:ワウリンカがテニス界に残したもの
フェデラー・ナダル・ジョコビッチ・マレーという空前絶後のBIG4が君臨した時代に、その全員をグランドスラムで倒して頂点に立ったのがスタン・ワウリンカです。
「3つのグランドスラム決勝すべてで世界1位を倒した唯一の選手」という記録は、これから先も簡単には破られないでしょう。
そしてラケットひとつとっても、約15年前のモデルにリードテープをガンガン乗せ続けるというこだわりを最後まで貫いた。プレーも道具選びも、ブレない信念があるところが”スタン ザ マン”たる所以です。
2026年12月、バーゼルでの最終章。長年のファンも、最近テニスを見始めた方も、ぜひ彼のラストランを目に焼き付けておきましょう!
参考:ATP Tour公式、Tennisnerd.net、Tennis.com、ESPN 等
